今年もあっという間にあと数日ということで、なんとも気忙しい年の瀬ですが、ついつい更新を忘れていたブログに、今年の歩みをまとめてみました。まずは自社農園の一年を振り返りたいと思います。
まず、SUNNY LOTの目玉である梅についてです。開花は例年通りで、少し早いかなぁといった感じでしたが、思えば2末から3月ころの、まだ実が小さな段階で、強風の日が多かったように思います。春の嵐といった塩梅ですが、そうなると実が自然落下してしまいます。
今年は全国的に梅が不作だそうで、確かに自社農園の梅も収穫量は減りました。ただしその分、養分を注ぐ実が少なくなったからでしょうか、シロップにした際の梅エキスの出来高は例年以上で、結果的に昨年同等のシロップ(量・質とも)が出来上がってくれました。
秋から冬の剪定で、2割ほど枝を落として、次世代への枝の更新を試み、その結果は徐々に来年の収穫から反映されますので、今から来年の収穫が楽しみです。今年は梅の醤油漬けをお買い求めいただく常連さんも増えまして、本当に嬉しく思います。一日一個で医者入らずという梅で、来年も元気に過ごしましょう!
SUNNY LOTは、あまり見た目にこだわりません(笑)水の中の梅は本当にキレイです。
さて梅の収穫よりも少し前、正月明けからの寒い1、2月を中心に、自社農園大改造を行っておりましたので、その様子をご紹介します。
東京農大グリーンアカデミーに通って2年、今年3月で卒業する前に、恩師の森先生から苗屋さんを教えてもらったことをきっかけに、今まで台風や強風などで倒れた木の根を抜根(ばっこん)し、土地を改良して新たにスペースを設け、75本の苗を植えることができました。今まで梅は完全に自社農園産でしたが、新たにレモン/ゆずなどの柑橘を数種、そして梅の新種を植えました。
まずは抜根です。台風などの強風で倒れた木の根は、大地にしっかり根付いており、簡単に抜けるものではありません。時間をかけ、根が痩せたタイミングを見計らい、大きく根回りを掘り起こして、抜き取ります。作業は農園で苦楽を共にする兄と、長男が大学の合間に手伝ってくれました。
およそ100本近い抜根を、ユンボ(パワーショベル)で行いました。悪戦苦闘の末に見えた、想像を超える新たな農園のスペースに、みなで歓喜した1月でした。
抜根で活躍したユンボ(パワーショベル)から見る夜明けの自社農園
大活躍の長男。無事75本の苗を植え付けました!
2月から3月に向け、徐々に暖かさが増し植物の根が動き出す時期です。2月26・27日の2日で、福岡からお越しの75本の苗を定植しました。セオリーでは、最初の2〜3年は、特に何もせず枝を大きく伸ばすことが肝要ですが、木が栄養成長(幹や枝を成長させる)に完全に傾く前に、生殖成長(花を咲かせ実をつける)をしっかり覚えさせて、大きくなり過ぎない果樹に仕立てるために、摘芯(てきしん) を行いました。
簡単に言えば、何もしない場合、枝は毎年30cm伸びるとすると、わざとその枝を10cmの若芽の段階で、それ以上伸びないように先端を摘んでしまうことを摘芯といいます。殆どの木が、その年に伸びた新芽に翌年に実をつけます。枝が伸びれば伸びるほど、どんどん枝の先にばかり実がなり、枝の根元に実がならない状況になってしまいます。
出来るだけ外に逃げる枝をコンパクトに留め、理想は手が届く範囲、180cm位の樹形に仕立て、その中でしっかり実がなるようにしたいと思っています。私の理屈では、小さな木の状態から栄養成長から生殖成長にマインドチェンジさせないと、後でどれだけ剪定しても、徒長枝がビョンビョン伸びまくり、実をつけない木にしかならないと思っています。この75本は、そうしたチャレンジでもあるのです。
苗はスクスクと順調に成長を続けています。来年2月末には、更に30本ほど追加する予定で、全てで100本近くなります。またSUNNY LOTの横にも、ミニ農園を設け、果樹を植える予定ですので、どうぞお楽しみに!ということで、マニアックなお話しですみませんでしたが(笑)、今年はよく頑張ったなぁ〜といった自社農園の一年でした!
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