コラムの第二弾として「お店はどんな情報を発信すべきなのか」という質問にお答えしたいと思います。
□ 価格と特典だけの情報発信からの脱却
今まで多くのお店が、こと情報発信において、大いに誤解していたように思います。メルマガを出すと言えば特別な値引プランを作り、ポイントを何倍にし、特典も山盛りで。。しかしながらそのような発信を助長させたのは、お店側ではなく、あまりにもサービスや商品の本質を軽視した、大手サイトだったように思います。
彼らは結果として、漠然と不特定多数のユーザーを開拓するための競争を強いてきました。その評価基準はサービス内容や品質ではなく、単純な「キーワード検索」という大きなククリの中で、価格と特典こそ真実というサイトを作り上げたのです。これに追従しないお店は、サイト内の表示が調整され、疎外されてきました。
こうした大手サイトやSNSの情報発信は、彼らの基準でしか評価されず、それだけに偏った情報発信は、没個性化を助長し、ますます特徴の無い社会を形成しています。本当に血の通った情報を、特別なユーザーにだけ届ける。このシンプルな取組が、極めて重要なことだと思っています。
□ 本当の価値を簡便なツールで
私が常連さん.comで提唱したいのは、こうした価格と特典だけの世界から脱却し、全く別の本来の価値を、簡便なツールで、お店の好きなタイミングで、漠然とした新規ユーザーに向けてではなく常連さんだけに、発信できる世界を確立することです。何も難しく考えることではなく、好意を寄せてくれる常連さんの目線になって考えれば良いだけです。
ポイント
対象:常連さんのみ
内容:一般のお客さんには教えないヒミツ情報
時期:一般のお客さんに公開する前に時間差で
禁止:価格割引・特典誇張
例)ケーキ屋さん
クリスマスケーキの先行受付を、一般公開の1週間前に、常連さんだけ先行で受付けます。
例)レストラン
夏メニューの先行試食会を実施します。先着5名様のみ20日の定休日にコッソリ実施します。
例)八百屋さん
蒲郡のミカンが入荷されます。店先に置かずに常連さんの予約を2日間だけ先行受付けます。
例)定食屋
冷やし中華、明日から限定50杯です。売切れ必至なので11:00頃にご来店ください。
例)旅館
部屋付露天風呂の7・8月分の予約を、常連さんだけ3日間先行受付けします。
これらは一般公開時の料金と全く変わりませんが、少し先行して、優先的に提供するだけのことです。この特別感だけでも、十分に価値があり、そのお店の常連さんに対する心持ちが伺えるものだと思います。